ヤマハの発売予定スピーカーNS‐5000を試聴して


試聴会に登場したNS-5000 (右は断面)
ヤマハは先日、新型スピーカー「NS-5000」の発売(予定)を発表した。ヤマハと言えば、往年のオーディオファンには伝説ともいえる名器NS-1000M を思い出す方も多いだろう。ヤマハは、1970年代からのオーディオ黄金期に数多くの先進的オーディオ製品を世に送り出し、特に、スピーカーでは、硬質で伝搬速度が高速なベリリウムの加工技術を開発し、逸早くスピーカーに採用、製品化に成功した。その中でもNS-1000Mの技術力と自然でメリハリの利いた音質は高く評価され、日本の多くの放送局などでモニタースピーカーとして採用され、世界的にも評判となった。
今回発表されたNS‐5000は、その流れを継承しつつも、デジタル化するオーディオ界の中でNS(ナチュラルサウンド=自然な音)のコンセプトをさらに深化させた、ヤマハ最上位のスピーカーシステムと位置付けられる。
ちなみに、NS‐5000の振動版には、世界一の強度と理想的な弾性率をもつ日本生まれの化学繊維ザイロン(Zylon)100%のベース素材に、ヤマハ独自のモネル合金蒸着コーティングした新開発振動版を、3ウェイスピーカーのすべてに採用。これによって、周波数特性を平坦にし、音色と音速も全帯域にわたって統一し、聴き心地の良さと厳密な音の再現力を高度に達成した、としている。(ヤマハが発表したリリース文から抜粋)
先日の東京インターナショナルオーディオショーでNS‐5000の視聴会に参加したが、音色、各帯域のバランス、スケール感のすべてにおいて、新しい音の世界を体験させてくれた。言ってみれば70年代に味わった感動をさらに新次元で体験させてくれた気がする。特に、低域から超高域まで、音の奥行と広がりが半端ではない。輪郭のはっきりした女性ボーカルの生々しさやフルオーケストラの大迫力と繊細な表現が共存する様には驚嘆した。ヤマハファンとして発売日が待ち遠しい限りだ。
筆者は、30年以上も前にヤマハスピーカーNS-1000との出会いで感動を受け、その後発表されスケール感を増したNS‐2000を購入し、現在も愛器としてあらゆるジャンルの音楽を楽しんでいる。そんなこともあって、今回のNS‐5000の発売には非常に注目しているが、このフラグシップモデルの成否は、ヤマハのオーディオ界への復帰が本物になるかどうかの重要な試金石になるかもしれない。
[主な仕様]3ウェイ・ブックシェルフ、バスレフ型、再生周波数23Hz~40kHz、許容入力200W、インピーダンス6Ω、出力音圧レベル88dB/m/2.83V、クロスオーバー周波数750Hz/4.5kHz、振動版Zylon、サイズ395W×690H×422Dmm、重量35kg、予定販売価格750,000円(税抜・1本)、発売予定時期2016年7月
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Category: オーディオ
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