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映画『東京物語』の世界 

 映画『東京物語』は昭和28年(1953)に製作され、小津安二郎監督の名を世界に知らしめた日本映画史上の金字塔です。親子関係や家族をテーマとして描き続けてきた小津映画の集大成ともいえる作品で、「家族」という普遍的なテーマに対する小津監督の卓越した演出法と独自のカメラワークで、日本映画を国際的に認知させる魁となったものです。昭和28年度の文化庁芸術祭参加作品です。
 物語は、広島県の尾道から上京した老夫婦が、東京に暮らす成人した子どもたちの家を訪問して歩くという設定で、そこでの親子の交流をつうじて、家族の意味を問いかけています。久しぶりに会う両親の元気な姿を目の当たりにして、初めは歓迎した子どもたちもほどなく自分たちの生活に追われ、両親を熱海の温泉に追いやってしまいます。そんな中で、戦死した息子の妻(未亡人)だけが、勤めを休み老夫婦を東京観光に案内することをかってでるなど、こころから両親につくし親身になってお世話をします。その後、尾道に帰った老夫婦は、旅の疲れもあって妻が急死してしまいます。残された老人の寂しい姿が見るものの心を打ちます。
 忙しい生活のなか、子どもたちが母の葬儀に駆けつけますが、そこでも母の形見のことなどで子どもたちがもめます。そして物語は終盤に~

 この作品は、家族の絆やあり方を問うと同時に、人間の孤独や老いと死、夫婦と子、結婚と人の一生などの意味を問う深いテーマ性を持っています。戦後の日本が高度経済成長に突き進む中で、それまでの「家族」が変貌していく姿を描くことによって、その後の近代化の中で核家族化し崩壊していく家族を、あたかも予見していたかのようです。主演の笠智衆のほか、原節子、東山千栄子、山村聡、杉村春子など、往年の名優の迫真の演技によって、いっそう心にしみる味わい深いものとなっています。

 今年1月19日からは、山田洋次監督の監督生活50周年を記念した新作映画『東京家族』が公開されます。この作品は、山田監督が、小津安二郎監督の名作『東京物語』をベースにして、小津監督への尊敬の念を込めて製作したものです。製作中に東日本大震災が発生したため、一時製作を延期しましたが、震災後の社会や家族が多くの問題を抱える中で、今、改めて「家族」の意味を問いかけるものとなっているそうです。今から公開が楽しみです。

◆『東京物語』の主な出演者
笠智衆(平山周吉)
原節子(平山紀子)
東山千栄子(平山とみ)
山村聰(平山幸一)
杉村春子(金子志げ)
香川京子(平山京子)
三宅邦子(幸一の妻、文子)
中村伸郎(志げの夫)
大坂志郎(周吉の三男、平山敬三)
十朱久雄(服部)
長岡輝子(服部の妻)
東野英治郎(沼田三平) 他

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Category: 評論

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